化け灯籠

1292年、この地域の有力者であった侍・鹿沼勝綱が寄進した、青銅製の灯籠です。暗くなると上部の箱の中に火が灯され、境内を照らしました。夜には、その灯籠の明かりがあたかも化物のように見えたことが、この特徴的な名前の由来となっています。

江戸時代(1603年-1867年)の終わりまで、二荒山神社の境内では夜間警護の侍が見回りを行っていました。その際、侍は灯籠の明かりを亡霊の炎と見誤り、たびたび灯籠を日本刀で切りつけたといいます。灯籠の各所に刻み込まれた70数箇所の小さな刀傷はそのときのものです。